家売るおじさんの売却事例物件が違えば、売り方も違う。売却実例実況中継!

その道路、誰のもの?

A様から土地を売りたいと売却の依頼を受けました

 

販売準備のため、物件の調査を進めていくと

物件が接している道路が『私道』であり、所有者を調べると株式会社○○と

法人が所有しているようでした

 

私道であること自体は問題ないのですが、A様の持ち分が無い今回のような場合

私道の所有者である株式会社○○に【通行掘削の覚書】という書類をいただくことが

取引の基本となります

A様の物件に行くためには株式会社○○所有の私道を通らなければならず、A様は今まで無償で株式会社○○の土地を通行していたことになります

こういう事はよくあることで、どうみても道路である場合、所有者が誰かなんて

不動産の売買をする時くらいしか気にすることはありません

 

ただ、本来であれば株式会社○○の土地を無償で通行しているので

通行料を請求されてもおかしくありません

またA様の土地を購入する方は、新築一戸建てを建てる目的で購入するので

株式会社○○の土地(道路)の掘削工事も必要になってきます

 

購入後に株式会社○○から『道路を勝手に掘りかえさないでくれ』と言われたら

新築も建てられませんし、何のために買ったのか目的を達せられなくなります

 

そういうことが無いように、トラブルを回避するためにも

A様が物件を売却する際には【通行掘削の覚書】を株式会社○○にもらう必要があるのです

 

そのことをA様に説明し、株式会社○○の連絡先を調べ

通行掘削の覚書への署名捺印を依頼に伺うと、待ってましたとばかりに

お金を請求されました

費用を聞くと、50万円とのこと

 

A様としては、『ハンコを押すだけで50万円なんて・・・』

と最初は納得いかないといった様子でしたが

冷静になり、最終的には支払うことを決め

株式会社○○に署名捺印をしてもらい、無事売却できることになりました

 

A様のようなこういうケースは珍しいことではありません

今回の株式会社○○は不動産業の免許ももっている会社で

道路を所有している目的は金銭目当てだと思われます

 

今回は50万円で済みましたが、100万円以上請求されたケースもあります

 

相場などもなく、無料で署名捺印してくれるケースがほとんどですが

費用請求されても、署名捺印してもらえなくて困るのは土地の所有者であるA様です

運が悪かったと思うしかありません

 

個人的にはA様のような不要な費用を払わされる方がいなくなって欲しいですし

そのために、道路や水道の私設管など、ライフラインに関わることは行政の権限で

利用可能な法律にして欲しいと思いますが、法律を変えるというのは

そんなに簡単なことではありません

 

防止策はほとんど無いですし、悪徳な会社が少しでも無くなってくれたらと

願うばかりです

 

 

【今回のPOINT】

 

・道路の持ち分が無い私道の場合は通行掘削の覚書が必須

 

・書類に署名捺印してもらうために費用を請求されることもある

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