隣の人に買ってもらう
A様の売却不動産は土地面積60㎡と小さな土地
土地面積が小さいこと自体は大きなマイナス要素ではないのですが
立地している地域の都市計画法によっては、かなりの大きなマイナス要素になります
どういうことかと言うと
それぞれのエリアで都市計画法という法律によって
建ててよい建物の高さや面積などが細かく指定されています
例えば・・・
駅前の繁華街エリアでは、狭い土地でも高層建物が土地に目一杯建てられていますが
駅から離れた閑静な住宅街では、2階建ての一戸建てばかりで高い建物がありません
それらは都市計画法の用途地域がそれぞれ違っているからなのです
駅前は『商業地域』などに指定されていることが多く、住宅街は『第一種低層地域』などが多いです。『第一種低層地域』では建てられる面積などの厳しい制限があり、A様の土地もこの地域に立地しています
厳しいとはどれくらいかというと
A様の60㎡の土地であれば48㎡の建物までしか許されません
新築一戸建てを建てるのに、48㎡しか建てられない
そういう土地を買う人がどれくらいいるでしょうか?
こういう土地ですから、評価はかなり下がります。
評価が下がるだけでなく、需要がほとんど無いのが現状です
こういう場合、不動産会社はどうするか?
まず土地の隣接所有者へ買う意思があるかどうか聞きに行きます
なぜかというと、土地に隣接している方が購入するのが
お互いにとってメリットがあるからです
お隣の方にとっては、相場よりも土地を安く買えますし
お隣の方の土地も同じように狭い場合には、お隣の方の土地の価値もぐんと上がります
例えばお隣のB様の土地も同じく60㎡だったとしたら
A様の土地を購入することで120㎡になります
そうすれあ建てられる面積も96㎡までとなり、一般的な4LDKの建物が建てられる
ことになるので、需要も増え、その分お隣の土地価格も上がるという訳です
今回もB様にそのご提案をしたところ、B様も『待ってました』とばかりに話が進み
無事A様の土地の売却が完了しました
しかし、このようにスムーズにいくことばかりではないのが現状です
その場合には、かなり安価で業者や投資家に売却という着地になることもあります
駅から離れた住宅街で、土地面性が小さい場合には
こういう事があるのを把握されておき、事前に隣接地所有者とも
そういうお話ができていると、いざというときに安心だと思います
【今回のPOINT】
・住宅街で土地面積が狭い土地は都市計画法によっては需要がないことがあるので注意
・そういった場合でも隣接地所有者が購入してくれることがあるので、まずは当たってみる
・需要が無く、隣接地所有者が購入してくれない場合はかなり安価になってしまう