家売るおじさんの売却事例物件が違えば、売り方も違う。売却実例実況中継!

営業マンとの交渉や駆け引きは逆効果

たまに遭遇するのですが

査定や売却相談の時に、私に対して交渉してくる売主さん

 

私『相場は3000万円くらいだと思います』

売主様『もっと高くならないの? ならないなら別の会社にするよ』

こんな感じなのですが、会話がずれているのがわかりますか?

 

不動産の仲介会社は、買取をしている会社ではありません

車の買取などのように、その価格で買取をしますという話であれば

価格交渉もわかるのですが、いくらの価格で売るのが妥当かをアドバイスしている

仲介会社に対して、『もっと高くならない?』というのは嚙み合わないんです

 

『もう少し高く売るためには何か方法はない?』だったらわかるんです

そういうご質問であれば、リフォームをすればとか、建物を解体して更地にすればとか

そういうアドバイスができるのですが、買ってくれる相手ではない仲介会社に

価格を交渉しても何の意味も無いのです

 

また、こういう事もあります

私『隣地との境界が不明確で買う方が気になる点が多いので先に測量をした方が良いです』

売主様『そんなはずはない。昔の測量図があるはずだ。隣地の人達もわかってるはず』

 

こういう不毛なやりとりも多くあります

物件の特性に応じて、売るためのアドバイスをしているのですが聞いてもらえません

 

私の場合は、それでも食い下がるので

『わかりました。測量をしたくないということですね。それはそれで尊重できますが

その変わり、売りづらくなります。具体的には買主からこう見られますし、価格にも反映します。』とそれをしないことのデメリットもお伝えしますが

 

営業マンによっては無駄な軋轢を避けたいがために

『わかりました』とそれ以上のアドバイスはせず、そのため物件が売れない

という状況はあちこちで散見されます

 

こういう場面に遭遇するたびに、不動産業界の社会的な地位の低さを痛感します

裁判などで弁護士さんが現実を踏まえたアドバイスをすれば

『先生、それはそんなはずはない』とはならないでしょう

そういう前提でどうするか?と建設的な話し合いになるのではないでしょうか?

 

業種は違えど不動産仲介もお客様と同じ方向を向いて歩むという点では弁護士さんと

同じなのですが、素人が玄人に『それは違う』と言ってしまえる業界なのです

まあ、そうなったのは不動産業界側の責任なのですが・・・

 

愚痴になってしまいましたが、何が言いたいかというと

その結果、一番影響を受けるのは売主様ご自身であるということ

 

普通の営業マンは、アドバイスを聞いてくれない、話を否定される売主さんに

積極的に関りたいとは思いません。提案やアドバイスも最低限に留めるでしょう

それでも、物件が良くて、売れてくれれば問題ありませんが

売れないままその関係性が続くことで何も良いことはありません

 

だから、営業マンのアドバイスには従いましょう

ということではありません。聞くべきことは聞き、納得した上で進めなければなりません

全員が誠実な営業をする訳ではないので、相手を疑う慎重さは大事です

しかし、自分は素人で営業マンはプロだという謙虚さも同時に必要だという話です

 

不動産の売却は営業マンと売主さんの共同作業だという認識をお持ちください

戦友のような関係になれればベストですが、そうでなくても、今回の事例のような

交渉や駆け引き、自己都合を通そうという態度、これらはマイナスにしかならない

という認識をお持ちになると、良い関係への第一歩になるかなと思います

 

【今回のPOINT】

 

・営業マンは買ってくれる相手ではない。交渉や駆け引きの相手ではない

 

・不動産業界は素人がプロに違うと言えてしまう変な業界

 

・自己都合を通そうとすることで、ご自身が一番被害を被ることになる

 営業マンとは共同作業の相手という認識で関係を築くのが良いです

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