家売るおじさんの売却事例物件が違えば、売り方も違う。売却実例実況中継!

いつもと違う。コロナ禍の不動産市場

2021年(令和3年)前半の不動産市場は

明らかにいつもと違っていました

 

「リーマンショックの時に似ている」

なんて言う同業者もいました

 

一回目の緊急事態宣言が発令されてから1年以上が経過し

なんとなくですが、不動産市場でこの1年起こっていた動きが総括できてきました

また今後どのようになっていきそうなのか?

あくまで予想ですが、イメージができてきました

 

今回は私見ではありますが、ご説明できればと思います

 

まず、簡単にこの1年のいつもと違うコロナ禍不動産市場ってどんな風だったかと言うと

一時的、局地的な売り手市場』です

 

バブル崩壊以降、長年不動産市場は『買い手市場』が続いています

ちなみに念のためご説明しますと

 

買い手市場→物件が余ってる、買い手が少ない、価格が低くなる、売りずらい

売り手市場→物件が少ない、買い手が多い、価格が上がる、売りやすい

こんな感じです

 

それがこのコロナ禍、一時的、局地的ではありますが

売り手市場に転じました

 

戸塚区内でいうと、通常時は約550件くらい売り物件が売りに出ているのですが

4月の時点で400件弱の売り出し件数となっています ※当社調べ

 

買い手の数は例年とそんなに変わっていませんでした

増えていたとしても微増くらいで、若い世代の購入意欲はコロナ禍でも

そんなに下がらなかったということでしょう

 

テレワークなどで家に手狭感を感じた若年層が、より広い家を求めて

購入したケースが目立ちました。

 

売れた物件も『新築一戸建て』『リフォーム済みマンション』『駅徒歩圏物件』が多く

特に、少し郊外の価格に手頃感のある建売住宅はかなり売れていました

そして、そういった買い手の動きも4月以降、一回りしてしまったのか

鈍くなってきています

 

 

しかし、売り手市場に転じた原因はこうした買い手の動きよりも

売り手の動きの鈍さにありました。

コロナ禍、同業者との情報交換時、みな口をそろえて言いました

『売却の相談が全然無い』

 

一般的に買い手は若年層、売り手は高齢層です

コロナ禍で人と会うことを避けている高齢層

『すぐに売らなければいけない訳ではない、今後世の中がどうなるかわからない

今はまだ動かず様子をみよう』

 

そういった状況の高齢層の売り手予備軍がまったくコロナ禍動かなかった

これが一番の原因になっていると感じます

 

土地や古い一戸建てが売りにでないので、現在建売業者や買取業者は

仕入れる物件が少なく、危機感を感じています

売る商品が無くなっているので、多少高くても買っている

そんな現場が散見されます

 

高く仕入れた物件は、売る価格も高くなります

今年後半に売りに出てくる物件は高い価格になっていることも予想されます

それに伴って、買い手の動きも活発になってくれれば、市場の均衡が釣り合うのですが

そんな風にはならないと私は思っています

 

だって、コロナよりも大きな社会的構造の変化

人口減少、高齢化、これはこの日本では決定してしまっている事実です

 

また、コロナ禍で売るのを控えていた売り手が一気に動き

市場に売り物件が大量に出てくる可能性も高いと思います

 

いつの時代も大局で見れば、人の動きは変わりません

様子を見ていて一時的に売り物件が少なかったかもしれませんが

売り手はいつかは売るのです

 

『コロナも落ち着いたし、そろそろ売却も考えるか・・・』

という風潮になってくれば一気に売り手が動きます

 

そうなるとどうなるでしょう?

もうおわかりかと思います

 

一時的な売り手市場は終了

終了どころか、今度は極端な買い手市場に反転する可能性が高くなります

 

物件が一気に売りに出る。買い手は慢性的に減っている。

高くて売れ残った物件は売れる価格まで値段を下げる

こんな景色が想像できるのではないでしょうか?

 

あくまでも予想で、そんな風になるかどうかはわかりませんが

『普通に考えれば、こうなるよなあ』と希望的観測を入れずに考えてみました

 

不動産業者としては、もっと楽観的に考えたいところですが

世の中は希望よりも事実が優先です

事実を見つめて、手を打つこと。それが今必要なことだと感じます

 

【今回のPOINT】

 

・コロナ禍は一時的、局地的な、売り手市場だった

 

・その原因は様子見で動かなかった売り手の動きの鈍さにあった

 

・今後コロナが落ち着き一気に売り物件が出ると、極端な買い手市場に転じる

 可能性が高い

ページトップ